今年はまだあと4ヶ月もある。
5年前、初めて岩手を訪れた時の事を思い出していた。
季節が秋ということもあり、
東京から札幌に、あえて電車で帰ろうと思い、
少し重めの荷物を抱えて、
ほぼ無計画で東京駅を出て、北に向かったあの日。
今思うと、
宮沢賢治が好きだという理由だけではなかった気がする。
実家に帰るような感覚で、
直感的に電車を降りたのが、花巻だった。
そこからさらに遠野まで、
3日間の滞在で、とても神秘的な体験をした。
一見なんの変哲もない、
見慣れたような風景に潜む、
言葉にならない何かに圧倒され続け、
実は沢山の完成された音楽が、
自分の体内に眠っている事を知った。
すごく要約してしまっているけれど、
今思い出しただけでも鳥肌が立つ。
その時はまだ、
それをどうしていいのかわからなかった。
後の音楽との関わり方を大きく変えた貴重な体験。
そう、レーベルの原点と名前の由来はそこにある。
今でも飛行機で東京を往復する度に時々思う。
あの時、電車ではなく、
いつも通り飛行機を選んでいたら ....... 。
未来を決めない無計画さと、
物理的ではない生きた時間と、
直感に従う行動力、
この3つが偶然に重なり合い、
実を結んだんじゃないかと思う。
あれから5年が経ち、色んな苦難もあったけれど、
先に完成された曲があって、
それを追うような曲の作り方にもだいぶ慣れてきた。
まだまだへたくそだけど、
前よりかは、忠実に再現出来るようになったと思う。
人によっては普通のことなのかもしれないけど、
僕は5年前、あの体験をするまでは、
曲は探りながら徐々に作りあげていくものだと思い込んでいた。
今はじっくり 3rd アルバムに向かっています。
時間はかかるだけかけようと思っている。
ある予感がしているから。
そして、Ihatov Remains では、来年の春、
札幌在住の一人の女性アーティストのリリースを控えています。
待望の1stフルアルバムです。
彼女ほどに独特のセンスとメロディーで、
展開していくドラムを組める人は他に知らない。
世界に誇れる。
そう、あの時、電車を降りた時と同じような直感で。
お楽しみに。
あと、過去の作品、juno でも購入可能になりました。
http://www.junodownload.com/artists/Takaaki+Suzuki/releases/
改めて、宜しくお願いします。
それではまた、その時が来たらここで。