2010.08.31

イーハトーヴ

今年はまだあと4ヶ月もある。

 

 

5年前、初めて岩手を訪れた時の事を思い出していた。

 

季節が秋ということもあり、

東京から札幌に、あえて電車で帰ろうと思い、

少し重めの荷物を抱えて、

ほぼ無計画で東京駅を出て、北に向かったあの日。

 

今思うと、

宮沢賢治が好きだという理由だけではなかった気がする。

 

実家に帰るような感覚で、

直感的に電車を降りたのが、花巻だった。

 

そこからさらに遠野まで、

3日間の滞在で、とても神秘的な体験をした。

 

 

一見なんの変哲もない、

見慣れたような風景に潜む、

言葉にならない何かに圧倒され続け、

実は沢山の完成された音楽が、

自分の体内に眠っている事を知った。

 

すごく要約してしまっているけれど、

今思い出しただけでも鳥肌が立つ。

 

その時はまだ、

それをどうしていいのかわからなかった。

 

後の音楽との関わり方を大きく変えた貴重な体験。

 

そう、レーベルの原点と名前の由来はそこにある。

 

 

今でも飛行機で東京を往復する度に時々思う。

あの時、電車ではなく、

いつも通り飛行機を選んでいたら ....... 。

 

未来を決めない無計画さと、

物理的ではない生きた時間と、

直感に従う行動力、

この3つが偶然に重なり合い、

実を結んだんじゃないかと思う。

 

 

 

あれから5年が経ち、色んな苦難もあったけれど、

先に完成された曲があって、

それを追うような曲の作り方にもだいぶ慣れてきた。

まだまだへたくそだけど、

前よりかは、忠実に再現出来るようになったと思う。

 

人によっては普通のことなのかもしれないけど、

僕は5年前、あの体験をするまでは、

曲は探りながら徐々に作りあげていくものだと思い込んでいた。

 

 

今はじっくり 3rd アルバムに向かっています。

時間はかかるだけかけようと思っている。

ある予感がしているから。

 

そして、Ihatov Remains では、来年の春、

札幌在住の一人の女性アーティストのリリースを控えています。

待望の1stフルアルバムです。

 

彼女ほどに独特のセンスとメロディーで、

展開していくドラムを組める人は他に知らない。

 

世界に誇れる。

 

そう、あの時、電車を降りた時と同じような直感で。

 

お楽しみに。

 

 

あと、過去の作品、juno でも購入可能になりました。

http://www.junodownload.com/artists/Takaaki+Suzuki/releases/

 

改めて、宜しくお願いします。

 

 

それではまた、その時が来たらここで。

 

 

 

posted by Takaaki Suzuki at 22:34 | Comment(0) | diary